HIMEDO宝石講座 ガーネットの特性、鑑別眼、審美眼

Message from Garnet

ガーネットからのメッセージ
「変わらぬ想い」

ガーネットは1月の誕生石としてよく知られています。
ガーネットの語源はラテン語の「granatum(種がたくさんある)」で、石榴の実を表しています。花崗岩や片麻岩の割れ目に、熟した石榴の実のように結晶していることからこの名前がつきました。和名も「石榴石」になります。
原石のままで美しい赤色と、12面体や24面体の球状に近い結晶を持ち、最も古い時代から宝石として扱われていきました。

ガーネットの原石が美しい形状で産出するのには理由があります。
ガーネットの結晶は等軸晶系と呼ばれ、結晶の3つの軸が全て同じ長さで、それぞれ真っ直ぐ(90°)に交差しています。
このような宝石はとても珍しく、大概は、3つの軸の長さが異なったり、交差する角度が斜めだったりします。

つまり、ガーネットの結晶は、どの方向から見ても全く同じ形。結果的に原石もそうなります。
いつどんなときでも姿を変えない。それは、「真実」や「忠実」の象徴です。
そんなガーネットが伝えるメッセージは「変わらぬ想い」。

欧米では、大学を卒業するときに「カレッジリング」をつくる風習があります。
このカレッジリングには、ガーネットが使用されることが多いようです。
卒業しても、今の気持ちを忘れずに、ずっと友情を大切にしようという想いが込められているのでしょうね。
ドイツの偉大な文豪であるゲーテは、晩年にずっと年下の少女に想いをよせました。彼女もゲーテが82歳で天寿をまっとうするまで、彼の傍に寄り添い、彼への想いを誓って、生涯ガーネットしか身につけなかったそうです。
日本でも結婚18年目の記念石がガーネットです。

ガーネットの「変わらぬ想い」。貴方なら誰に伝えたいですか?

ガーネットの需要、鑑別眼と審美眼について

ガーネット
ガーネットの語源はラテン語の「granatum(種がたくさんある)」で、石榴の実を表しています。花崗岩や片麻岩の割れ目に、熟した石榴の実のように結晶していることからこの名前がつきました。ガーネットというと赤色のイメージが強いと思いますが、黄色、オレンジ、緑色、紫色など様々な色があり、とても華やかな宝石です。

ガーネット族(GARNET GROUP)
ガーネットは単一の宝石の名前ではなく、同一の結晶構造と類似した化学組成を持つ(同質類像)鉱物グループにつけられた名称です。ガーネット族は、A3B2(SiO4)3の化学式で表されるケイ酸塩鉱物で、AとBの成分が何かによって種類が異なります。自然界には、大きく分けて6種類のガーネットが存在します。



パイロープガーネット  
ギリシャ語の「炎のような」という意味の「Pyr」に由来しています。ルビーと同じクロムによる着色で、ケープ・ルビー(南アフリカ産)、アリゾナ・ルビー(アメリカ産)などと呼ばれて、長い間ルビーと混合されてきました。最も有名な産地はチェコスロバキアのボヘミア地方。その他、南アフリカ、アメリカのアリゾナ、オーストラリア、タンザニアなどでも産出します。

アルマンダイトガーネット
この宝石の古い産地である小アジアの町「Alabanda」に因んで名付けられました。鉄分が多いため、暗赤色〜濃赤色を示し、特に濃色のものは黒色に近く感じられます。針状のルチルインクルージョンが見られるのが特徴で、4本のスター効果(十字スター)がみられる石もあります。世界各国で産出されますが、宝石品質のものはブラジル、ローデシア、タンザニア、スリランカ、アメリカなどで産出されます。スターガーネットの大半はインドで産出されます。

ロードライトガーネット
パイロープとアルマンダイトの中間的な化学組成と特徴を持つ宝石。ギリシャ語の薔薇を意味する「Rhodo」と石を意味する「Lite」から名付けられました。1882年にロアメリカのノースカロライナ州で発見されました。紫色を帯びた赤色は、パイラルスパイト系のガーネットの中で、最も高い評価を受けています。アルマンダイトとほぼ同じ地域で産出されます。

スペサルタイトガーネット
この宝石の産地であるドイツのバイエルン州「Spessart」に因んで名付けられました。マンガンを含んでいて、橙赤色から帯紫赤色、帯褐赤色等の色を示します。明るいオレンジ色のものは、「マンダリンガーネット」の異名を持ちます。多くはグロッシュラーガーネットのヘソナイトと外観が似ていて間違えられやすい宝石です。アメリカ、スリランカ、ミャンマーなどで産出されます。

マラヤガーネット
パイロープとスペサルタイトの中間的な化学組成と特徴を持つ宝石。ロードライトガーネットと比較して全く人気がなかったため、スワヒリ語で「役立たず」や「娼婦」等、一般的に「屑」を意味する「マラヤ」と呼ばれていました。この呼称では酷すぎるため、産地(ウンバ川流域)に因んで「ウンバライト」と呼ばれることもあります。クロムやバナジウムを含有し、カラーチェンジするものもあります。タンザニア、ケニア(ウンバ川流域)、モザンビーク等で産出されます。

グロッシュラーガーネット
ドイツで初めて発見された結晶が、スグリの実に似ていたことから、スグリの学名である「Grossularia」から名付けられました。化学組成に遷移元素を含まないので、純粋な結晶は無色透明石となりますが、実際には、何らかの不純物を含むため、様々な色相を呈します。古くから市場に出回っていたのは、マンガンを含むオレンジ色透明石の「ヘソナイト」です。これはギリシャ語の「ヘッソン(もっと少ない)」が語源となっています。1968年には、バナジウムとクロムを含んだエメラルドグリーンのグロッシュラーがケニアのツァボ国立公園で発見されました。ティファニーによって「ツァボライト」と名付けられ、世界中にプロモーションされました。その他、塊上で産出する半透明の宝石は、水分を含んでいるため「ハイドログロッシュラー」と呼ばれ、大別されています。 

アンドラダイトガーネット
宝石用として使用されるアンドラダイトには、色石の「デマントイド」と、黒色不透明石の「メラナイト」透明緑があります。クロムを含む緑色のものは「デマントイドガーネット」と呼ばれ、ロシアのウラル山脈で初めて発見され、最高級のものが産出されます。ダイヤモンドのような輝きと虹の輝き(ファイアー)を持ち、希少性も高いことから、ガーネットの中で最も高く評価されます。「ホーステールインクルージョン」と呼ばれるアスベストの細かい毛状のインクルージョンを持つのが特徴的。メラナイトは、イタリアやフランスで産出され、モーニングジュエリーとして使用されます。

マリーガーネット
グロッシュラーとアンドラダイトの中間的な化学組成と特徴を持つ宝石です。1994年に市場に登場しました。2種のガーネットも名称を合わせて、「グランダイト」とも呼ばれていますが、産地であるアフリカのマリ共和国に因んで、マリーガーネットと呼ばれることが多いようです。

ウバロバイトガーネット
クロムによる鮮やかな緑色の美しい結晶として産出しますが、あまりに小粒であるため、宝石としては加工されていません。

ガーネットの需要(人気度)
ガーネットは宝石の中でも最も長い歴史を持ちます。そのため、多彩な伝説を持ち、様々な物語が残っています。ガーネットの人気は、19世紀ビクトリア朝時代に最盛期を迎えました。ゴールドラッシュの時代とも重なり、ゴールドの台座にチェコ産のガーネットを留めたジュエリーが大人気を博し、ジュエリーショップの半分以上はガーネットで占められていたと言われています。20世紀になって、様々な色石が市場に出回るようになり、次第に人気が衰えてきましたが、現在でも1月の誕生石として愛されている宝石です。

ガーネットの出現率(供給)
ガーネットは世界中で産出されます。大変美しい宝石でありながら、その産出量の多さから評価はあまり高いものではありませんでした。しかし、近年になって発見された新種のガーネットの中には希少性の高いものもあり、種類によってその産出量には大きな差があることを考えなければなりません。一般に、パイラルスパイト系(赤色系)と比較して、ウグランダイド系(緑色系)の希少性は非常に高くなっています。

ガーネットの品質
鑑別眼
ガーネットには様々な種類がありますので、種類によって鑑別のポイントは変化します。しかし、いずれのガーネットにおいても、現在(2006年12月)のところ、合成石・処理石は存在しませんので、比較的鑑別の簡単な宝石といえます。ちなみに、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)やガリウムガドリウムガーネット(GGG)と呼ばれるものがありますが、これらはいずれも人工結晶で宝石ではありません。

審美眼
ガーネットの最も大切な美しさのポイントは、「透明感」と「色の美しさ」です。
色は濃すぎると暗くなってしまいますので、あまり濃すぎず、鮮やかな色相のものを選ぶと良いでしょう。
透明度の低いものや褐色がかったものは、魅力に欠けると言えます。
赤色系のガーネットの中で、最もガーネット特有の美しさを表しているのは「ロードライトはーネット」ですが、この宝石を選ぶときは、赤色の中に紫色味を感じることが重要です。比較的大きなサイズも手に入れやすいので、存在感のあるジュエリーがお好きな方にもお勧めです。
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