HIMEDO宝石講座

Message from Gem Stones

宝石は、地球から私たちへの素敵な贈り物。
私たちより、ずっと長い時間を生きている宝石たちからは、様々なメッセージが聴こえてきます。
HIMEDOな女性たちへ
宝石たちのメッセージに、耳を傾けてみませんか?




NHK連続ドラマ「ダイヤモンドの恋」の宝石・ジュエリー考証も勤められた、
ジャパンジュエリービジネススクールの奥田副校長の
宝石講座コラムです。

わかっているようでわからない、
ガーネット
ペリドット
の講習をしていただきました。

奥田氏経歴
平成2年3月 関西学院大学 理学部 化学科 卒業
平成2年4月 住友化学梶@入社
        生物環境科学研究所 配属
        医薬品・農薬品の開発研究に従事
平成6年4月 ジャパンジュエリービジネススクール 入学
平成7年4月 樺央宝石研究所 入社
          色石鑑別部 配属
          通常鑑別、各種分析鑑別および研究に従事
          年1回の日本宝石学会で研究成果を発表
平成13年4月 ジャパンジュエリービジネススクール 入社
        JBS宝石品質判定資格担当
        NHK文化センター講師を務める
平成17年6月
  NHK連続ドラマ「ダイヤモンドの恋」の宝石・ジュエリー考証
平成17年11月 
    ジャパンジュエリービジネススクール 副校長に就任


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HIMEDO講座 ペリドットの特性、鑑別眼、審美眼

Message from Peridot

ペリドットからのメッセージ
「夫婦の幸福」

8月の誕生石であるペリドットは、4500年もの長い歴史を持ちながら、意外と目立たない存在の宝石ではないでしょうか?
あなり高価でないお手軽な宝石に思われがちですが、実はとても希少性の高い宝石です。
ダイヤモンドの産出量は年間約1500万カラットと言われています。
世界中のペリドットを集めても年間の産出量は100万カラットにも達しないのです。

特に古代では、紅海にあるいつも霧に包まれた島でしか産出しなかったため、何日間も探し求めて、やっと手に入れられる貴重な宝石でした。
また、硬度が低く、強い衝撃を与えると割れる可能性があり、酸等の薬品にも弱いため、大切に取り扱わなければならない宝石です。
そして、その独特の色相は、太陽を象徴する宝石と言われています。

捜し求めてやっと手に入るもの、
手に入れても壊れやすく大切にしなければならないもの、
そして太陽のように生きていく上で絶対に欠かせないもの。

何かと似ている気がしませんか?
そうです。女性にとっては男性の、生涯を共にする伴侶です。

最近では、プラチナが流行していますが、ペリドットにはゴールドが良く似合います。
ペリドットは、ゴールドによってよりその輝きを増し、ゴールドもペリドットによって素晴らしいジュエリーになります。
ペリドットとゴールドの関係は、互いに相手を輝かせる、夫婦のような関係なのです。

そんなペリドットからのメッセージは「夫婦の幸福」。
思い出してみてください。
彼に出会うまでのこと。
彼と今日まで築いてきた年月のこと。
その間に感じた彼の思いやり。
ペリドットは夫婦であることの幸福を思い起こさせてくれる宝石です。

宝石の価値は、その「品質」と、「需要」および「出現率」のバランスによって決定されます。
宝石の「品質」を判定するためには、真偽を見分ける「鑑別眼」と美醜を判断する「審美眼」が必要です。

ペリドットの需要、鑑別眼と審美眼について

ペリドット
ペリドットの和名は橄攬(カンラン)石で、鉱物名は「オリビン(Olivine)」になります。これは色合いがオリーブ(橄攬)に似ているために名付けられました。宝石名であるペリドットは、アラビア語で宝石を意味する「Faridat」を語源とした古フランス語の「Prritot」からきています。ペリドットは19世紀になるまで、様々な名称で呼ばれていました。色や国によっても名称が異なったため、混乱を招きやすいころから、各国共通で「ペリドット」と呼称する国際協定ができました。

ペリドットの需要(人気度)
ひまわりと同じく黄金色であることから、太陽を象徴する宝石として多くの伝説を生みました。7月の真っ赤な太陽が、8月になって黄金の輝きに変化することから、1952年に8月の誕生石にも選ばれました。4500年もの長い歴史がありながら、ペリドットの人気は決して高いものではありません。その原因の一つとして、硬度が低く、劈開性があるため、強い衝撃を加えると割れる可能性があり、取り扱いに注意が必要であることが挙げられます。また、酸に対しても弱いので、加工の際に表面が荒れたり、曇ったりすることもあるようです。もっとも、汗程度の酸になら着用したあとに拭くという習慣をつけておけば、全く問題はありません。
古代からエジプトでは、太陽神を国家の象徴として崇拝したことから、ペリドットは特に愛され、歴代の王妃・王女の冠を飾りました。これらのペリドットは、十字軍によってヨーロッパに持ち帰られ、教会に献上されたものが多く、ドイツのケルンの教会などでは、今でも見事な宝石が残っています。

ペリドットの出現率(供給)
比較的安価なジュエリーに使用され、気軽な宝石と思われがちなペリドットですが、産出量は意外に少ない貴重な宝石です。近年になって、世界各国で新しい産地が発見され供給量が増えたのですが、全てを合わせても年間の供給量は100万カラットには達しないと推定されます。これは、ダイヤモンド、サファイア、エメラルドと比較して遥かに少なく、ルビーと同等の水準です。

ペリドットの品質 
鑑別眼
黄緑色という特有の色相を持つ宝石は多くは存在しないため、ペリドットは比較的鑑別のしやすい宝石といえます。鑑別の最大のポイントは、ペリドットの持つ「複屈折性」です。ペリドットは非常に高い複屈折性を持っているため、石を通して物を観察すると、二重にダブって見える性質があります。
また、ルーペで観察すると、「ウォーター・リリー・リーフ・インクルージョン」と呼ばれる特有の内包物が見られます。これは、液体が円形に広がり「睡蓮」のように見えるもので、一般的にペリドットにしか見られない特徴です。
ペリドットは、世界中の火山地帯で発見されますが、大部分が小さな結晶で宝石にはなりません。良質のペリドットの多くはミャンマーで産出されますが、美しいものに価値がありますので、産地にこだわる必要はありません。
ペリドットには現在(2006年12月)、合成石、処理石が存在しません。

ペリドットの審美眼
薄暗がりで驚くほど強い輝きを示すペリドットは「イブニング・エメラルド」の異名を持ちます。その美しさのポイントは、「透明感」と「ブラウン味」です。
透明感の低いものや、ブラウン味を感じるものは、美しさに欠けます。鮮やかな黄緑色のものを選ぶと良いでしょう。
ペリドットは自色(主成分に着色成分を含有している)の宝石なので、極端に色の薄い石や濃い石は存在しません。従って、色の濃淡による価値の変化はほとんどありません。

HIMEDO宝石講座 ガーネットの特性、鑑別眼、審美眼

Message from Garnet

ガーネットからのメッセージ
「変わらぬ想い」

ガーネットは1月の誕生石としてよく知られています。
ガーネットの語源はラテン語の「granatum(種がたくさんある)」で、石榴の実を表しています。花崗岩や片麻岩の割れ目に、熟した石榴の実のように結晶していることからこの名前がつきました。和名も「石榴石」になります。
原石のままで美しい赤色と、12面体や24面体の球状に近い結晶を持ち、最も古い時代から宝石として扱われていきました。

ガーネットの原石が美しい形状で産出するのには理由があります。
ガーネットの結晶は等軸晶系と呼ばれ、結晶の3つの軸が全て同じ長さで、それぞれ真っ直ぐ(90°)に交差しています。
このような宝石はとても珍しく、大概は、3つの軸の長さが異なったり、交差する角度が斜めだったりします。

つまり、ガーネットの結晶は、どの方向から見ても全く同じ形。結果的に原石もそうなります。
いつどんなときでも姿を変えない。それは、「真実」や「忠実」の象徴です。
そんなガーネットが伝えるメッセージは「変わらぬ想い」。

欧米では、大学を卒業するときに「カレッジリング」をつくる風習があります。
このカレッジリングには、ガーネットが使用されることが多いようです。
卒業しても、今の気持ちを忘れずに、ずっと友情を大切にしようという想いが込められているのでしょうね。
ドイツの偉大な文豪であるゲーテは、晩年にずっと年下の少女に想いをよせました。彼女もゲーテが82歳で天寿をまっとうするまで、彼の傍に寄り添い、彼への想いを誓って、生涯ガーネットしか身につけなかったそうです。
日本でも結婚18年目の記念石がガーネットです。

ガーネットの「変わらぬ想い」。貴方なら誰に伝えたいですか?

ガーネットの需要、鑑別眼と審美眼について

ガーネット
ガーネットの語源はラテン語の「granatum(種がたくさんある)」で、石榴の実を表しています。花崗岩や片麻岩の割れ目に、熟した石榴の実のように結晶していることからこの名前がつきました。ガーネットというと赤色のイメージが強いと思いますが、黄色、オレンジ、緑色、紫色など様々な色があり、とても華やかな宝石です。

ガーネット族(GARNET GROUP)
ガーネットは単一の宝石の名前ではなく、同一の結晶構造と類似した化学組成を持つ(同質類像)鉱物グループにつけられた名称です。ガーネット族は、A3B2(SiO4)3の化学式で表されるケイ酸塩鉱物で、AとBの成分が何かによって種類が異なります。自然界には、大きく分けて6種類のガーネットが存在します。



パイロープガーネット  
ギリシャ語の「炎のような」という意味の「Pyr」に由来しています。ルビーと同じクロムによる着色で、ケープ・ルビー(南アフリカ産)、アリゾナ・ルビー(アメリカ産)などと呼ばれて、長い間ルビーと混合されてきました。最も有名な産地はチェコスロバキアのボヘミア地方。その他、南アフリカ、アメリカのアリゾナ、オーストラリア、タンザニアなどでも産出します。

アルマンダイトガーネット
この宝石の古い産地である小アジアの町「Alabanda」に因んで名付けられました。鉄分が多いため、暗赤色〜濃赤色を示し、特に濃色のものは黒色に近く感じられます。針状のルチルインクルージョンが見られるのが特徴で、4本のスター効果(十字スター)がみられる石もあります。世界各国で産出されますが、宝石品質のものはブラジル、ローデシア、タンザニア、スリランカ、アメリカなどで産出されます。スターガーネットの大半はインドで産出されます。

ロードライトガーネット
パイロープとアルマンダイトの中間的な化学組成と特徴を持つ宝石。ギリシャ語の薔薇を意味する「Rhodo」と石を意味する「Lite」から名付けられました。1882年にロアメリカのノースカロライナ州で発見されました。紫色を帯びた赤色は、パイラルスパイト系のガーネットの中で、最も高い評価を受けています。アルマンダイトとほぼ同じ地域で産出されます。

スペサルタイトガーネット
この宝石の産地であるドイツのバイエルン州「Spessart」に因んで名付けられました。マンガンを含んでいて、橙赤色から帯紫赤色、帯褐赤色等の色を示します。明るいオレンジ色のものは、「マンダリンガーネット」の異名を持ちます。多くはグロッシュラーガーネットのヘソナイトと外観が似ていて間違えられやすい宝石です。アメリカ、スリランカ、ミャンマーなどで産出されます。

マラヤガーネット
パイロープとスペサルタイトの中間的な化学組成と特徴を持つ宝石。ロードライトガーネットと比較して全く人気がなかったため、スワヒリ語で「役立たず」や「娼婦」等、一般的に「屑」を意味する「マラヤ」と呼ばれていました。この呼称では酷すぎるため、産地(ウンバ川流域)に因んで「ウンバライト」と呼ばれることもあります。クロムやバナジウムを含有し、カラーチェンジするものもあります。タンザニア、ケニア(ウンバ川流域)、モザンビーク等で産出されます。

グロッシュラーガーネット
ドイツで初めて発見された結晶が、スグリの実に似ていたことから、スグリの学名である「Grossularia」から名付けられました。化学組成に遷移元素を含まないので、純粋な結晶は無色透明石となりますが、実際には、何らかの不純物を含むため、様々な色相を呈します。古くから市場に出回っていたのは、マンガンを含むオレンジ色透明石の「ヘソナイト」です。これはギリシャ語の「ヘッソン(もっと少ない)」が語源となっています。1968年には、バナジウムとクロムを含んだエメラルドグリーンのグロッシュラーがケニアのツァボ国立公園で発見されました。ティファニーによって「ツァボライト」と名付けられ、世界中にプロモーションされました。その他、塊上で産出する半透明の宝石は、水分を含んでいるため「ハイドログロッシュラー」と呼ばれ、大別されています。 

アンドラダイトガーネット
宝石用として使用されるアンドラダイトには、色石の「デマントイド」と、黒色不透明石の「メラナイト」透明緑があります。クロムを含む緑色のものは「デマントイドガーネット」と呼ばれ、ロシアのウラル山脈で初めて発見され、最高級のものが産出されます。ダイヤモンドのような輝きと虹の輝き(ファイアー)を持ち、希少性も高いことから、ガーネットの中で最も高く評価されます。「ホーステールインクルージョン」と呼ばれるアスベストの細かい毛状のインクルージョンを持つのが特徴的。メラナイトは、イタリアやフランスで産出され、モーニングジュエリーとして使用されます。

マリーガーネット
グロッシュラーとアンドラダイトの中間的な化学組成と特徴を持つ宝石です。1994年に市場に登場しました。2種のガーネットも名称を合わせて、「グランダイト」とも呼ばれていますが、産地であるアフリカのマリ共和国に因んで、マリーガーネットと呼ばれることが多いようです。

ウバロバイトガーネット
クロムによる鮮やかな緑色の美しい結晶として産出しますが、あまりに小粒であるため、宝石としては加工されていません。

ガーネットの需要(人気度)
ガーネットは宝石の中でも最も長い歴史を持ちます。そのため、多彩な伝説を持ち、様々な物語が残っています。ガーネットの人気は、19世紀ビクトリア朝時代に最盛期を迎えました。ゴールドラッシュの時代とも重なり、ゴールドの台座にチェコ産のガーネットを留めたジュエリーが大人気を博し、ジュエリーショップの半分以上はガーネットで占められていたと言われています。20世紀になって、様々な色石が市場に出回るようになり、次第に人気が衰えてきましたが、現在でも1月の誕生石として愛されている宝石です。

ガーネットの出現率(供給)
ガーネットは世界中で産出されます。大変美しい宝石でありながら、その産出量の多さから評価はあまり高いものではありませんでした。しかし、近年になって発見された新種のガーネットの中には希少性の高いものもあり、種類によってその産出量には大きな差があることを考えなければなりません。一般に、パイラルスパイト系(赤色系)と比較して、ウグランダイド系(緑色系)の希少性は非常に高くなっています。

ガーネットの品質
鑑別眼
ガーネットには様々な種類がありますので、種類によって鑑別のポイントは変化します。しかし、いずれのガーネットにおいても、現在(2006年12月)のところ、合成石・処理石は存在しませんので、比較的鑑別の簡単な宝石といえます。ちなみに、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)やガリウムガドリウムガーネット(GGG)と呼ばれるものがありますが、これらはいずれも人工結晶で宝石ではありません。

審美眼
ガーネットの最も大切な美しさのポイントは、「透明感」と「色の美しさ」です。
色は濃すぎると暗くなってしまいますので、あまり濃すぎず、鮮やかな色相のものを選ぶと良いでしょう。
透明度の低いものや褐色がかったものは、魅力に欠けると言えます。
赤色系のガーネットの中で、最もガーネット特有の美しさを表しているのは「ロードライトはーネット」ですが、この宝石を選ぶときは、赤色の中に紫色味を感じることが重要です。比較的大きなサイズも手に入れやすいので、存在感のあるジュエリーがお好きな方にもお勧めです。